御嶽駅を起点に、上流側の御岳美術館で折り返すルートでは、渓谷美を楽しみ、川原で水に触れ、森林浴も楽しめます。ゆっくり歩いて1時間、200 kcalぐらいの運動になります。御嶽駅から御岳美術館まで約1.5 kmです。
この記事では、遊歩道をエスコートする方や、御岳での限られた時間をどう過ごすか計画中の方に向けて、御嶽駅を起点として上流側に向かうルートをご紹介します。
御嶽駅から上流側に、およそ30分で御岳美術館につきます。お時間が限られる方は、持ち時間の1/3まで歩いたところで折り返し、御岳橋の直下に戻って、お時間の許す限り渓谷美を堪能する計画はいかがでしょう。
御嶽駅から御岳渓谷遊歩道まで
御嶽駅のホームから多摩川側に御嶽駅前交差点が見えます。
御嶽駅改札口を出ると、前方左手に中華料理店の東峯園が見えます。
東峯園の右側に、御岳渓谷遊歩道におりられる入り口があります。今回は、ここから入り、上流側(右側)の御岳美術館を目指します。ところどころ、御岳美術館の方向を示す看板があります。
御岳橋をくぐります。
御岳渓谷です。御岳渓谷遊歩道を上流側に進みます。
御岳渓谷が見えました。御岳渓谷遊歩道はこの多摩川沿いに整備されています。ここは、森林浴と川岸のお散歩を、同時に楽しめてしまう、お得なスポットです。森林の中を切り裂くように、これだけの水量の清流が流れているのは、不思議な光景です。
今歩いている多摩川の左岸(上流を向くと右側)は、御岳美術館まで全て舗装されています。ハイキングや登山の重装備でなくても大丈夫ですが、日差し対策や虫除けはしておきたいです。
御岳渓谷遊歩道からは、こんな迫力の多摩川を見ることができます。水の透明感が高く、水量が豊富です。永年の侵食で形作られた岩石にぶつかりながら、奥多摩や青梅からの湧水が下流に流れていきます。
水しぶきをあげ、渦を巻くかと思えば、ゆったりと蛇行します。川の流れに思わず見入ってしまいます。
御岳渓谷遊歩道から杣の小橋が見えてきます。
杣(そま)の小橋が見えます。「杣(そま)」は、木材をとるために樹木を植える山を意味します。万葉集のころから使われている古い言葉です。この小橋をわたって道路(吉野街道)に向けて登ると、駐車場(御岳苑地駐車場)やトイレがあります。
遊歩道沿いにムクゲ(もくきん)が育っていました。俳句では秋の季語ですが、夏から秋にかけて咲きます。韓国の国花だそうです。写真の花びらに節足動物がいますので、苦手な方は、画像を拡大しないでください。
御岳渓谷遊歩道を進み、神路橋を見つける。
神路橋が見えてきました。行きでは渡らずに、先に進みます。
神路橋は、御岳山の二の鳥居につながっています。その先にはケーブルカー駅の滝本、御岳山があります。
御嶽駅から近く、舗装されていて歩きやすいのに、とっても緑の深いところです。
さらに進んでいくと、多摩川は、奥多摩フィッシングセンターの釣り場となっています。
遊歩道は、東京都の「東京都レンジャー」の方々が巡回し、注意点などを表示してくれています。心強いですね。このような表示があるところは、気をつけて下さい。
御岳渓谷遊歩道で、奥多摩フィッシングセンターを抜けて御岳美術館へ。
遊歩道は奥多摩フィッシングセンターに並走しています。遊歩道から、青梅線が見えました。青梅線は単線ですが全線電化されているため、最新の電車が、ゆったりと走ります。
御岳美術館に着きました。今回は遊歩道の紹介なので、ここから引き返します。
御岳渓谷遊歩道は、行き帰りで同じ道を歩いているのに、景色が違って見えるのです。この遊歩道の魅力の一つです。
御岳渓谷遊歩道で杉を観察する。
理科の勉強を始めたお子様と歩いている方は、少し立ち止まって、杉を見て下さい。写真の右側が多摩川で、左側はうっそうとした森のようになっています。
- この中心の杉は、片側にしか枝がありません。どうしてでしょう?
- 左側の杉は、枝が見えません。どうしてでしょう?
植物が日差しを求めて生長することは、教科書などでも紹介されているでしょう。しかし、これだけ正直に日当たりを求めた杉を、近くから見上げる経験は、なかなかできないのではないでしょうか。
神路橋から多摩川の右岸(吉野街道側)の御岳渓谷遊歩道へ
先ほどの神路橋まで戻ってきたので、多摩川の右岸に渡ってみます。
右岸(吉野街道側)の遊歩道は、舗装されていないところがあります。情緒豊かなシングル・トラックです。石の階段もあります。杉林の中を進みます。
ときどき、多摩川が見えますし、川原におりるポイントもあります。杣の小道から吉野街道にのぼると、御岳苑地が整備され、小道が縦横に走っています。トイレ休憩もできます。ラフティングは、このあたりから出発します。
この遊歩道は、立ち止まってみると、綺麗なコケに満ちています。綺麗な空気と、綺麗な水と、ゆったりと流れる時間が、このコケたちを育てています。
杣(そま)の小道も抜けると、御岳橋が見えてきます。
御岳渓谷遊歩道から御岳橋直下の川原におりる。
遊歩道の分岐や、戻るポイントなど確認しながら、御岳橋の直下の川原におりてみます。御岳橋の直下から、上流方向を撮った写真です。岸壁がせり出し、川岸が狭くなっているところがわかるでしょうか。左右の樹木の葉がふれあいそうです。
江戸時代、この周囲で一番川幅が狭いところに、御岳万年橋が架けられました。御岳橋は、近世期より、青梅街道と御岳山を結ぶ大切な橋でした。
御岳渓谷は、自然が創り出した本当に綺麗な渓谷です。
御岳渓谷遊歩道から御嶽駅へ
右岸側(吉野街道側)の遊歩道を抜けて駅に向かうには、一度吉野街道に出ます。
吉野街道が見えました。吉野街道にでたら左折します。すぐ御岳橋交差点にでますので、左折して、御岳橋を渡ります。
御岳橋から直下の多摩川を見下ろしてみましょう。
御岳橋からの渓谷です。橋の上からの景色も美しいですが、遊歩道沿いに眺めると、多摩川と太陽がもたらした深い自然と一体になれるのです。橋の上からだけでなく、整備された遊歩道から、川と森に近づいてみてください。
御嶽駅に戻りました。ゆっくりと1時間歩きました。心拍計で消費カロリーを測定したところ、240 kcalでした。20gから30gぐらい体脂肪を減らしたでしょうか。
ご家族とのひとときに。恋人への告白に。仕事の疲れを洗い流すために。御岳渓谷遊歩道は、変わらずに、あなたを待っています。